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渋井匠がマクドナルドで働く

マクドナルドで朝ごはんを食べていたときのことです。トレーにマクドナルドの求人情報が載っていました。こんなの。

定年を迎えて会社を退いたけど、まだまだ働きたい人はマクドナルドでアルバイトができますよ!ってことのようです。 これはすごくいいことです。いろいろ想像して、ニヨニヨできます。

この広告に出てくる渋井匠さん。実は超一流企業で取締役常務をされていました。鬼の渋井と言われる反面、部下思いの面も強く、慕う人は数知れず。将来の社長候補と目されていたにも関わらず、突然サッと「定年だから」と会社を退いてしまい、その後の去就が注目されていたのです。ライバル会社にスカウトされたのではないか、自身で起業をするのではないか、いろいろと噂が飛び交っていたのですが、渋井さんの選んだ道はマクドナルドのアルバイト。

大学生やフリーター、主婦の方々と一緒に、ポテトを揚げたり、ハンバーガーを作ったり、主にバックヤードで黙々と働きます。周りの人は、渋井さんの経歴なんて知りませんからね、「渋井さん!ポテト早く!」とか、いろいろと言われるわけですが、寡黙な渋井さんは黙々とポテトに塩を振るのです。

「渋井さんはどうしてここでアルバイトしているんですかぁ?」

大学4年生の星野育美さんに質問されて「働くことはいいことだよ。」と、よくわからない返事をしつつ、まんざらでもなさそうな様子。偉そうな素振りは一切見せずに、淡々と仕事をこなす渋井さん、マクドナルドのクルーの間でも次第に只者ではないと思われ、一目置かれる存在になるのです。

そして、働き始めて数ヶ月、渋井さんが深夜のシフトに入っている時のこと。酔っ払いのサラリーマンが店内で騒ぎ始めます。「オレはなぁ!超一流企業の正社員なんだ!てめーらとは違うんだよ!」カウンターで叫び出して、若いクルーはかなり怖がっています。その様子を見ていた渋井さん、バックヤードから出てきて、そのサラリーマンを見るなり、

「お客様、申し訳ありませんが、他のお客様のご迷惑になりますので……」

と頭を下げるのです。そうすると、そのサラリーマンの顔が急に真っ青になり、

「し、渋井常務!も、申し訳ありませんでした!!!」

と、慌てふためいて店から飛び出していくのです。

「あ、ありがとうございます!」

若いクルーは渋井さんがどういう人なのか知りませんので、なぜ一瞬で騒ぎが収まったのかわかりません。

「いやいや……」

少し照れ笑いを浮かべながら、バックヤードに戻る渋井さん。

こんな感じで働けるのなら、ぜひ働いてみたいです。合掌。