ぐわぐわ団

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スポットライトを浴びるとき

人は誰でも一度はスポットライトを浴びるときがくる。

どこの誰が言ったか知りませんし、そもそもそんなの聞いたこともありませんが、松屋で厚切りポークソテー定食を食べた帰り道、掃除機がスポットライトを浴びている姿を見つけたのです。

人じゃないし。掃除機だし。

粗大ゴミのシールが貼られていたので、まず間違いなく粗大ゴミとなった掃除機です。元気な頃はゴミをぎゅんぎゅん吸い込んで、部屋中をキレイにしていたのだと思います。「俺の通る道にはチリひとつ残さねえ!」みたいな感じで、めっちょこイキっていたのではないでしょうか。ゴミを前にして「お前たち全部吸い尽くしてやる!」みたいに。ゴミが落ちてようもんなら「見ろ!ゴミがゴミのようだ!」と、そりゃあもうムスカ大佐みたいなもんです。

とはいえ、寄る年波には勝てません。吸引力も落ち、スイッチを入れても動かなくなり、気がつけば自分自身がゴミとなってしまったのです。あの頃の勢いはどこにもなく「吸えねえんだよ……もう、吸えねえんだ……」と嘆くばかり。吸えない掃除機は粗大ゴミとして捨てられる運命です。どれだけ今まで活躍していたとしても、どれだけ頑張ってゴミを吸い込んでいたとしても、使えなくなればただの粗大ゴミなのです。

そんな、掃除機の最後のワンシーン。マイクをステージの上に置いて、深々と頭を下げているようにも見えます。スポットライトを浴びて、最後に一花咲かせようとしているようにも見えます。「燃えたよ……真っ白に……」と呟いているようにも見えます。ドラえもん第6巻でジャイアンに勝ったのび太のようにも見えます。スポットライトを浴びた掃除機はどこか悲しいのです。

それはそうと、松屋の厚切りポークソテーですが、なんじゃこりゃってぐらいにおいしかったです。

写真の上のほうにあるのは「バター仕立てのマーガリン」です。マーガリンって言っちゃってます。嘘でもバターって言って欲しかった。でも、松屋は誠実です。マーガリンなのです。そして、そのマーガリンをソテーの上に乗せて溶かして食べると、これがもうめっちょこ美味しい。あー、これはヤバいってぐらいに美味しい。

旨みが凝縮された熟成チルドポークにあめ色玉ねぎとにんにくを使用したガーリック風味の松屋特製シャリアピンソースがたっぷり。

シャリアピンソースってよくわからないのですが、とにかく殺人級に美味しかったです。カロリー気にしてたらたぶん食べられません。贅沢をしました。合掌。