ぐわぐわ団

ぐわぐわしたり、もんにょりしたり

お達者くらぶ

大阪・新世界のとあるビルの地下室で、高齢者たちによる飽くなき闘いが繰り広げられている場所があります。それが「お達者くらぶ」。以前、NHKで似たようなタイトルの高齢者向け娯楽番組がありましたが、そんな生ぬるいものではありません。「ワシがここで一番のお達者じゃ!」「あたいが一番のお達者よ!」と、King of Otassya のタイトルをめぐり、血で血を洗う抗争が繰り広げられています。

「お達者パーンチ!」

爺さんのパンチは、老眼により距離感が掴めずヒットしない。にも関わらず、骨粗しょう症の婆さんの骨は木っ端微塵に砕け散る。婆さんピンチ!そこに助っ人として突然現れたヒー婆さん、黒豆を炊く時に使う釘で凶器攻撃!ふっくら炊けた黒豆がつやつやするのは鉄分のおかげだとばかりに、爺さんを流血させる。ヒー婆さんお手製のぽたぽた焼きの完成だぁッ!

このような殺伐とした場所が将来必要になるかもしれないのです。デイサービスでのんびりほのぼの、折り紙をしたり、童謡を歌ったりするのもよいのですが、人間には刺激が必要です。VR技術が進化した今、なにもリアルに殴り合いをする必要はありません。バーチャルリアリティの世界で、爺さんと婆さんが掴み合い取っ組み合いの喧嘩をすることによって、ストレス解消をするなんてのもアリなのです。

おじいちゃん、おばあちゃんというのは、長生きしていて、人生経験が豊富だから、聖人君子のような素晴らしい人たちであるというのが、どこかにないでしょうか。おじいちゃん、おばあちゃんはやさしくて、心が広くて、人生の先輩として尊敬ができる存在でなければならないという世間からの視線、圧力が、どこかにあると思います。

そんな爺さん、婆さんたちの、抑圧されたどろどろとしたものを吐き出す場所こそ「お達者くらぶ」なのです。世間一般から押し付けられた清らかなおじいさん、おばあさんの皮を脱ぎ捨て、悪の限りを尽くして殴り合う場所。このような場所が今こそ求められているのです。

保育所を増やすことも喫緊の課題であり、日本政府は早急に取り組む必要があると思いますが、「お達者くらぶ」の普及も一刻も早く取り組まなければなりません。速やかに税金を投入して、全国津々浦々に「お達者くらぶ」を建設し、毎年、東京ドームに全国のお達者たちを一同に集めて、日本一のお達者は誰かを決める必要があるのです。そして、4年に一度、ドバイで開催される「お達者おりんぴっく」で日本のお達者が世界一であることを知らしめるのです。合掌。

© 2016 ぐわぐわ団