ぐわぐわ団

ぐわぐわしたり、もんにょりしたり

大富豪リッチモンド伯爵のとある一日

私はリッチモンド伯爵。大富豪だ。しかも、そんじょそこらの大富豪とは格が違う。常に大貧民から2やAを2枚巻き上げておる。たまにジョーカーも巻き上げておる。ワシも2枚くれてやるが、革命を起こされてはかなわんので、その辺りは慎重に。ドンペリのうぶ湯に浸かり、ミルクの代わりにロマネ・コンティを飲んで育った。おかげでアル中だが、それは大富豪なので仕方がない。そんなワシだが、執事のセバスチャンに牛丼、ビーフオンザライスの話を聞き、こっそり食べに行くことにしたのである。

セバスチャンには海の見える窓際の席を予約しておくようにと言い渡したのだが、あまりの人気のせいか、予約が取れないらしい。金にモノを言わせてでも予約を取っておきたいところだが、それはあまりにも下品だ。聞けば予約でいっぱいというわけでもないらしい。よくわからんが、直接店に行けばよいそうだ。

とりあえず、店に来た。海の見える窓際を所望したのだが、変な牛の絵が描かれたポスターが見えるカウンター席に座らされた。海どころか窓もない。ウェイターに今日のおすすめは何かとたずねたところ、返事もせずに「特盛一丁!」と奥に向かって叫びよる。ウェイターでは話にならんと思い、ソムリエをよぶように伝えると「生中一丁!」と再び奥に向かって叫びよる。おそらく、言葉が通じないのであろう。異国の地でウェイターをして学問に励んでおるのだと思うと、怒る気にもなれぬ。その努力に免じて、3や4が手元にあっても、8ぐらいは渡してやらねばならん。

ウェイターが生中と牛丼特盛を運んできた。普段はロマネ・コンティを愛飲しているワシにとって生中など口に合うはずもなく、グビグビと流しこむ。普通に美味い。牛丼も紅ショウガをたんまりと乗せ、七味唐辛子をかけてから、食べる。マジで美味い。普段はA5ランクの松坂牛しか口にしないワシが美味いと感じるのである。これはシェフの腕が素晴らしいのであろう。ウェイターにシェフをよぶように伝えると「あざっす。」と謎の言葉を発して立ち去っていった。

お会計をして、領収書をもらい、経費で落とせることを税理士に電話で確認したうえで、御堂筋線に乗り、お屋敷に帰った。

という、もんにょりしたお話でした。合掌。

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